前回のおさらい
前回、「看板とホームページは同じ目的であること」と「客の目に触れなければ何にもならないこと」をお話ししました。
「そんな事は誰でも知ってる」と言われそうですが、実際はほとんどの人(企業)ができていないのが現実です。
「知らないでやれていない人」と「知っていてやらない人」は結果は一緒です。
お店(会社)にちゃんと客が来て、売上も利益も思い通りになっている人なら、私の記事をこれ以上読んでいただく必要はありません。
時間がもったいないので、他のことにその時間を向けてください。
「売れないのが当たり前」の時代
物がない時代は、作れば売れる、仕入れれば売れる、いわゆる「売れるのが当たり前」の時代でした。
物が豊富になってくると、売れる物と売れない物が出てきて、上手く行く人と行かない人の差が生じてきます。
そして現代のように物が溢れて余り、無くて困るような物もない環境になると、「売れないのが当たり前」というやっかいな時代です。
ちょっと前までなら、「商品の差」が「売れる売れないの差」になっていました。
しかし、現代は「マーケティング力の差」が「売れる売れないの差」になっています。
以前は、マーケティングというと学者かコンサルタントたちが使う専門用語で、一般の人にとっては縁遠い言葉でした。
集客しない看板は、ただのゴミに過ぎない
看板は、「集客のツール」です。
物が黙っていても売れていた時代なら、看板は付いているだけでよかったのです。
現代のように、物がなかなか売れない時代は、お店が選ばれるように仕組まれた看板でなければなりません。
なのに、看板業界で働いている人は、ほとんどが看板の職人さんに過ぎません。
丈夫な看板、精巧な看板、安価な看板を作るのは得意ですが、「売れる看板」「集客する看板」の専門家ではないのです。
格好いいオシャレな看板が街に溢れて、デザイナーさんたちも活躍していますが、彼らもマーケティングとは遠い人たちばかりです。
広告代理店も、マーケティング用語を捲し立てていますが、様々なメディアを販売する営業マンにすぎず、携帯電話の販売と何ら変わりません。
いずれにしても、先に自分たちの商品ありきで、それを売ることが最終目的だからです。
「売れる看板」「集客する看板」とは、誰に頼めばいいの?
あなたは看板を頼みたい時、まず誰に声をかけますか?
- 実績のあるコンサルタント
- 広告代理店
- デザイン会社
- 実績のある看板会社
- 街の看板屋さん
他にもあるかも知れませんが、大体そんなところでしょうか。
これは、どれが正しいとか間違っているという問題ではありません。
あなたの抱えている問題がどの段階にあるか、ということです。
・「実績のあるコンサルタント」と答えた人は、「売れない根本的な原因を明確にしてから戦略を立てる必要がある」と考えている人。
・「広告代理店」と答えた人は、「最新の面白いメディアや広告手法がないか」と考えている人。
・「デザイン会社」と答えた人は、「人目を引く変わったデザインはないか、またはオシャレなかっこいいデザインはないか」と考えている人。
・「実績のある看板屋会社」と答えた人は、「よそで成功した事例を自社でも真似したい」と考えている人。
・「街の看板屋さん」と答えた人は、「看板を新しくしてくれればいい」「安くあげたい」「身近で知っている人に頼みたい」など、どちらかというと看板の効果にあまり期待を持っていない人が多いようです。
今現在繁盛している店にとっては、古くなったからとか飽きたからという程度で、看板の問題はそれほど深刻ではないので、この際話の対象から外しましょう。
売れなくて問題を抱えているのに、看板のあり方を真剣に考えないで、「俺好みのデザインにしてくれ」とか「何のこだわりもないからとにかく安くしてくれ」という人が一番多いのは、残念ですが事実です。
それは、その人が過去に一度も看板の役割や効果について知る機会がなかった、誰も提案してくれなかった、ということかも知れません。
顧客の置かれている現状と困っている課題を把握して、最良の解決法と看板デザインを提案するという立場の職業が今までなかったというのが実態だと思います。
看板の効果について語る人がほとんどいない
広告代理店も看板業もこれまで長年の間、広告や看板の効果について語ることは自分の首を絞めることであり、絶対タブーだったのです。
世の中が複雑になりインターネットで情報が氾濫する現代、「売れる理由」「売れない理由」をじっくりと真剣に考える余裕がなくなり、専門の業者も話をにごして煙に巻く状況が目につきます。
私は、お店の外観イメージづくりが本拠地で、関連して看板の世界にも身を置いていました。
そのため、看板をいつも外から客観的に見てきました。
毎日街を歩くと何千何万の看板がありますが、効果があると思える看板は1割もありません。
- 誰も目を止めてくれない。
- 何を伝えたいのかわからない。
- 文字や画像が多すぎて見る気にならない。
せっかく付けた看板が、読まれる以前で終わっているのが残念です。
そこでこれから看板を基礎から理解していただき、看板を効果的に活用して成功に結びつけていただければと思います。