街の景観を壊し、人が避けて通るブロック塀
一般住宅のブロック塀です。
無機的で殺風景なブロック塀は、街の景観を損なうだけでなく、
「冷たい」「暗い」「怖い」イメージがあり、
特に夜は避けて通る人も少なくありません。
そのため、ブロック塀の多い場所は人通りが少なく、
犯罪も起きやすくなります。
そこで、ブロック塀を壊すことなく、
明るくて楽しいデザインに変身させることにしました。
まずブロック塀の補修・塗装の工程から
ブロック塀には直接塗装することはできません。
コンクリート用シーラーという下地処理剤がありますが、
これではブロックの巣穴を埋めることができないので
1〜2年もしないうちに水が浸食し塗装が膨れたり剥がれてしまいます。
そのため、3〜5ミリ厚のモルタル系の下地材を塗って表面処理をしてから
シーラー〜塗装に入ります。
このモルタル系の下地材でコーティングすることで、
ブロックの劣化が止まり寿命も大幅に伸びます。
「ブロック塀アート」によるイメージリフォーム
まず、全体のベース色を明るくて温かいミルク色に塗装しました。
でも、それだけでは明るくはなっても、無機的で無表情に変わりありません。
そこでこの住宅にも街並みにも調和する壁画をデザインしました。
門柱は、入口を強調するように盛り上げてモザイクタイルでスペイン風に仕上げました。
ミルク色の壁には、鉢植えの花や蔦のツルと葉っぱを描き、
塀の勝手口扉(木製)は、エイジング塗装で味のある鉄の扉に仕上げました。
そして、最後に通りの人を楽しませるために
「塀からのぞいているネコ」のオブジェをつくって設置しました。
完成して通行量が増え、明るい通りに大変身!
完成してから、明らかに少しずつ人通りが増えてきました。
朝夕の散歩客や今まで違うルートを通っていた通勤通学など。
遊び心で設置したネコを見つけて、通りがかりの人が立ち止まり
明るい笑い声や会話がよく聞こえてきます。