壁画で想像力が広がる安らぎの異空間
この老人ホームは、ほとんどが車椅子生活のお年寄りばかり。しかも園内から望める外の世界は、小さな植物園とコンクリートに囲まれたこの中庭のみ。ここは、さまざまなイベントが行われる広場でもあります。
そこで、この中庭の壁に、のどかでさわやかでアットホームな風景を描くことにしました。生活感がありながらも、どこかエキゾチックで非日常性がある空間。アーチ型の開口から垣間見る風景は、見る人それぞれのイメージを刺激し、さまざまな想像を馳せることでしょう。
完成後、早朝や昼下がりには中庭の周りの廊下に車椅子が並び、遠くを見つめるお年寄りが多く見られるようになりました。