ビルの外観イメージを大きく変えるには、壁画が最も最適
当初のねらいは、「ローコストでビルの外観イメージを大きく変えたい。そのためには、壁画が最も有望である」ということでした。
壁材や塗装では、「新しくなった」「きれいになった」という効果はありますが、まわりのビルの中で一際個性が引き立ち、人目を引くという効果はあまり望めません。
その意味では、あらゆる個性的な外観イメージをペインティング(塗装)という簡易な手法で実現できるので、壁画はとても有望なツールです。
- ビルの外観が人目を引くというのは、テナント募集にとても有利です。
- テナント側にも、ビルの目印があるので、客に場所を説明しやすく、チラシやホームページからも誘導しやすくなります。
ビルの外観イメージで、入居テナントを選ぶという発想
ビルのオーナー様と話を進めるうちに、新しい視点を見つけました。
それは、特定のテナントにだけに選ばれるような外観イメージをつくれば、テナント特性を絞り込みができるということです。
このビルがある地区は古くからの繁華街で、ほとんどが風俗店です。
そのために昼間はほとんど人通りが少なく、寂れたイメージが否めません。
地域内のビルのイメージも、当然あまり好イメージではありません。
単に目立つだけなら、テナントにとって集客に有利というだけで、また風俗店が集まってきます。
しかし、オシャレなカフェや美容室などが似合うようなオシャレで上品なイメージであれば、それを好むテナントが集まってきます。
つまり、従来型のどんな業種にでも合うような外観にしてテナントの間口を広くする狙いに対して、逆にある一定のイメージを好むテナントだけに絞り込んだ外観イメージをつくるという発想です。
類似したイメージのビル群が集まると、街に新しい文化が生まれる
その発想をもう少し広げると、
- 今後、風俗店ではなく「若い」「明るい」「オシャレ」な業種のお店を、ビル側が主導的に集められる。
- そんなビルがひとつのエリアに数棟集まれば、街のイメージが変わり始め、今までとは違った種類の来街者が増えていき、エリア内のテナントミックスも変わってまったく新しい街が生まれる。
つまり、新しいイメージのビル群が、活力のある新しい街の景観をつくっていくということです。
しかも、古いビルを建て直してそれを実現しようとすると、10年以上の長い年月が必要になります。
古いビルの外観イメージだけを変えるという発想なら、1、2年でも十分可能です。
しかも、自由自在に大胆にイメージを変えるには壁画が最も有効です。
ビルの壁画のテーマは「地中海に臨む宮殿」
まわりの建物群の中で一際目立ち、意外性と非日常性で人目を引きつけるために、
「地中海に臨む宮殿」をモチーフにリゾート感覚をアピールしました。
想定するテナントターゲットは、
- カフェ
- ショットバー
- レストラン(フレンチ、イタリアン、地中海料理など)
- ビストロ居酒屋
- 美容室
など、オシャレな異国文化のイメージを大切にするお店です。
まだ、新しい試みなので、反応を見ながら、
今後も様々な視点から検証していきたいと思います。